民報チャレンジ国語の32回目の解説です。小川和也著「デジタルは人間を奪うのか」からの出題です。
(1)「に」の用法
傍線部①「既に」の「に」は副詞の一部。これと同じ用法は、ウ:「たんに」の「に」ですね。
「~だ」と言い換えられるかどうか、とか、「に」をとった語句だけで意味が通じるかどうか、である程度は区別することができますね。
(2)あてはまる語の組み合わせ
a
「むしろ」しか入るのがありません。2つあるうち、どちらを選ぶか、という場合と同じですね。
b
前の段落の最初は「しかし」で始まっていますので、連続して「しかし」はきませんので、これは選択肢から外します。
・前の部分
「思考する習慣」というものは、ちょっとした努力の積み重ねで培われるものだ。
・後の部分
インターネットの検索では、検索ばかりに頼らず自分の頭で考えてみたり、まとまった読書から情報や知識を自前化する機会を持つのも良い。
前の部分の例として、後の部分が挙げられています。よって、「たとえば」が入るのが適切でしょう。
よって、答えはアになります。
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(3)説明文に適当な言葉を補う
傍線部の前の部分「デジタルの船は極楽さ。ここが危険なんて大げさだし、自分には無縁の話だよ。」から考えます。
I(本文中から四字)
前の「 」の部分から「デジタル」しか入りません。
Ⅱ(十字以内の言葉を考える)
デジタルの危険性が述べられている個所を参考に、言葉を考えます。
本文の最初から、デジタルと人間の頭で思考することが述べられています。
作者が特に強調したいことは「 」で示されていますので、そこから語句を考えてもいいですね。
「 」で有力なのは、「思考する努力」「思考する習慣」があげられます。
あと、参考になるのは、下段の4段落目、「このような小さな習慣の積み重ねであっても、デジタルの船の中で思考する能力を維持、育てることはできる。」の箇所でしょうか。
以上のようなことから、適当な言葉を考えます。最後から2つ目の段落に、「人間から思考する力を奪うデジタルの力学は…」とあることから、「思考する力が奪われる」というのが最も適切だと感じますが、同様の内容であれば問題ないでしょう。
(4)六十五字以内で書く
テコの原理はについては、直前に「思考することの価値を理解し、情報や知識と思考の掛け算」と書いてありますが、このまま答えてはいけません。
そこで、相当する部分を本文中からさがします。
「思考することの価値を理解し、」のところは、「思考する習慣」について述べられているところからまとめます。
後半の「情報や知識」の部分については、上段の後半部に「しかし、自前化された情報や知識は、画期的な連想を生む礎となり、優れた創造をなすテコとなる。」とありますので、その周辺部から参考になる語句をピックアップしてみます。「自前化した情報や知識」というのは何度も出てきますので、これは解答に入れておいた方がよいでしょう。
あとは、それらを決められた字数でまとめます。
模範解答
「これまでよりもっと偉大な創造をなすために、デジタルの有用性を生かして、情報や知識を自前化するとともに思考の機会を積み重ねること。」
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